第2章 恋心
「……わかってるよ…」
「なら良かった…今更返せと言われても返せませんし、と言うか元々あなたのモノじゃないですもんね?」
気が付くと俺の様子をじっと見つめてたニノ。
そうだよな…俺のモノじゃなかったんだ…
いくらでもチャンスはあったのに自分のモノにしなかった。
「…幸せにしてやって…
俺が言えることじゃないけど…」
「そうですね…その台詞あなたにだけは言われたくないかな」
そう言ったニノの目が一瞬今までに見たことがないほどの怒りに満ちた。
「…ごめん…」
ニノはふっ、と笑うと
「いいんですよ、あなたのおかげで宝物を手に入れることが出来たんですから
ある意味ありがとうございます、なんですけどね?」
「…聞いていいか?」
「なんです?この際なんでもどうぞ?
今後一切この話をすることはないと思うので…」
「ニノはいつから気がついてた?俺たちのこと…」
「3年位前ですかね?」
「で、いつから翔くんのこと好きだったの?」
「その後すぐ位ですね」
「俺たちの関係知ってても好きになったんだ…」
「そうですね…だって、体だけでしょ?あなたが欲しかったのは…
俺は全部欲しいんです。
心も体も…あんなに綺麗な人はなかなかいませんから」
「…そうだな…」
そう言うとニノはちょっと驚いた顔をしたけど、何も言っては来なかった。
「もう、質問はいいですか?」
「あぁ、悪かったな…」
「いいえ…これでスッキリしていただけるのならお安い御用ですよ?」