第10章 誓言
「わかればいいんだよ」
強気な翔くん…夕べはあんなに俺に乱されてたのに。
背中に回っていた手で脇腹をさわさわと撫で上げた…ビクッと動く。
「智くん…」
途端に瞳が潤み始める…
「ん、なに?」
手を動かし続けながら、気のない返事をする。
「手…止めて…」
既に吐息を漏らす翔くん。
「なんで?」
「…意地悪しないでよ」
睨みつけてるけど、そんな色っぽい目で睨まれてもねぇ。
「どうする?夕べの翔くんは素直だったよ?
俺の事、欲しかったんだよね?
翔くんのナカ、絡みついて離してくれなかったもん」
「そんな事ないよっ
もうやだって言ったのに、智くんが無理矢理したんじゃん」
真っ赤な顔をして抗議する翔くん。
「へ~?やだったんだ?
あんなに気持ち良さそうだったのに」
「だから、それは…」
モゴモゴと何かを呟く翔くん。
「ニノの名前、呼んであげなかっんでしょ?
昨日は2回も呼んでくれたのにね?
確かにあんな声で呼ばれたらねぇ…ゾクッとしたよ…
特に2回目の時なんてさぁ、3戦目誘ってんの?って思っちゃった」
「そんな訳ないだろ…」
「そうかぁ、残念…でもまた呼んで貰いたいなぁ…」
手を胸に移動し、肝心な所には直接触れず撫で回した。
「んっ、」
切ない瞳を向ける翔くんにキスをした。
「ふっ…ん…」
艶を放ち始めた翔くんに、先に負けたのは俺だった。
「翔くん…また見たい…
俺だけが知る翔くんの姿…」
首筋に軽く吸い付くだけで背中をしならせる。
「あっ…さと、し、くん…」
「呼んで俺の名前…これから先もずっと、俺のことだけ…」
あの優艶な姿を見るのも、あの艶かしい声を聴くのも、俺だけにして…
「さと、しくん…だけ、だから…」
「翔…愛してるよ…これからもずっと俺だけのモノでいて?」
「んっ…智く、ん…愛して、る…こ、れから、先…俺だけ…見てて…」
「うん、翔だけ見てる…」
もしもあの日に戻れるなら、君に届けたい言葉はただひとつ…
『この先何があっても、俺のことを想い続けていて…』