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あの日の君に 《気象系BL》

第10章 誓言


俺の腕の中で、何かがモゾモゾと動いてる。

目を覚ますと、翔くんが俺の身体に腕を回し抱きついてた。

「しょ、お…?」

覚醒しきらない頭で翔くんの名前を呼ぶ。

翔くんが顔をあげ、目があった。

「あ、ごめん。起こしちゃった?」

「ん…でも、そろそろ起きる時間だろ?」

「まだもうちょっと時間あるよ?
ごめんね?起こしちゃって…」

申し訳なさそうに言うけど、そんな事どうでもいいよ…

寧ろ起こしてくれたことに感謝?

俺にそっと抱きつこうとしてるなんて、可愛いじゃん。

そんな遠慮しないでいいのに…
翔くんは、いつでも俺の事優先させるんだから。

翔くんを抱いてた腕に力を込め、ぎゅっと抱きしめた。

「智くん?どうしたの?」

「ふふっ、ほんとはこうして欲しかったんでしょ?
遠慮しないで、翔くんの望むこと言って?」

翔くんの耳元で囁けば、頬を紅く染め、それでも腕に力を込めて俺に抱きついてきた。

「幸せだね…」

そう呟くと俺の顔を下から覗き込む翔くん。

「智くん?」

「こんなに幸せな気持ちになれるのに、勿体ないことしてたよな」

「ふふっ、でもさ、今だからじゃない?
あの時付き合ってたとしても、今まで続いてたかわからないよ?」

「そうかなぁ」

「昔に戻れる訳じゃないからさ、ほんとにそうかはわからないよ?
でもね?この十数年間智くんを想い続けてたから想いは強くなったし
嵐のメンバーとして、信頼関係も築いてこれた…
だから、無駄な時間ではなかったよ」

「そうだな…翔くんが何年も側に居てくれたから、翔くんがより大切な存在なんだってわかったんだ」

「でしょ?結果論かも知れないけど、俺たちには必要な時間だったんだよ…
これから先もずっと一緒に居るために、お互いが無くてはならない存在だって知るための時間」

「ちょっと時間掛けすぎじゃね?」

「まぁ、ちょっとね?
でもしょうがないじゃん…相手が激ニブの智くんなんだもん」

「俺のせい?」

「違うの?じゃあ、誰のせい?」

「……俺のせいです…」
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