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あの日の君に 《気象系BL》

第10章 誓言


温かな温もりのなか目が覚めた。

目の前には智くんの寝顔…一晩中抱いていてくれたんだ。

一緒に朝を迎えただけなのに、幸せな気持ちになった。

智くんのマンションには何度も来てたけど、泊まったことなんてなかったもんなぁ。

抱いて貰える事が嬉しくて、余計な事を言って嫌われたくなかった。

『泊めて』なんて言って面倒くさい奴だと思われたくなかった。

都合がいい『男』で十分…

そう頭の中では思っていても、心は痛み続けてた。

智くんに愛して貰おうなんて望んでなくても、彼女が出来たと聞けばその度に落ち込んだ。

ニノに智くんとの関係がバレた時
正直、終わりにするチャンスなのかとも思った。

でも、ニノが味方をしてくれるって言うから、そのまま智くんを想い続けて…
悩みを吐き出す場所を得てしまった俺は、自分の本心を知ってしまった。

抱かれてるだけで十分

そんなの嘘だ…あの人に愛されたい

でも、その事に気付いてしまったが為に、俺は更に傷つくことになった。

智くんに彼女が出来ると、ニノの前で泣くようになった。

ニノが優しくしてくれるから甘えてた。

ニノの気持ちを知った時、自分のしてきた事がニノをどれだけ傷つけて来たんだろうと反省した。

それなのに『それでいい』とニノは言った。それは自分が望んだ事だと…

ニノの愛情の深さに驚いた
ニノがそれほどまでに俺を想っていてくれてたなんて…

ニノとだったら幸せになれるのかも知れない、そう思って智くんを諦める決心をした。

それなのに、俺は智くんを忘れられなかったんだ。

苦しい想いをした…苦しい想いをさせた…

俺の想いが智くんとニノを傷つけた…

特にニノには、本当に申し訳ないと思う…

それでも、やっぱり俺は智くんと一緒にいることを選んだ。

だからニノに『やっぱり俺を選んでおくべきだった』と言われないように、智くんを愛し続けるよ。
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