第9章 深愛
翔くんがニノに抱かれて温かかったって言った。
ニノはきっと翔くんの事を考えて抱いてたんだ。
「昨日さ、ニノに見せてた姿見せてって言ったじゃん?
でもそれって間違ってるんだよな…
翔くんに見せて貰うんじゃなくて、俺が翔くんにしてあげるのが先なんだよ」
「智くん…勘違いしないでね?
俺は智くんに抱いて貰えるだけで良かったんだよ?
智くんに何かして貰おうなんて、考えたことないから」
「わかってるよ。でもこれからは俺が気持ち良くしてあげたい…
今まで以上に綺麗な翔くん見せて」
スポンジを置き素手で翔くんの胸を触った。
「あっん!」
翔くんの甘い声が聞こえるのと同時に体が跳ねた。
「ここ…今まで触ってあげたことなかったよね…
前戯なんて殆どしたことなかったもんね」
「はっん…さ、と…し、くん…やっ…」
「やじゃないでしょ?気持ちいいよね?ここも…」
さっき触った時に反応した脇腹をそっと撫で上げる。
「あぁっ!」
「ここ、さっき反応してた場所…
まだまだあるでしょ?触られて気持ちいい場所
俺に全部教えて?」
耳元で囁けばそれだけで体が震える。
「さと、しくん…」
切なそうな声で俺を呼ぶ翔くんの表情は、既に欲情に染まっていた。
「ベッド行こうか…」
コクンと頷く翔くんの体の泡を流し、急いで自分の体も洗って風呂を出た。
用意してあったバスローブを着せて手を繋いで寝室に入る。
「あ、ちょっと待って」
翔くんが、ベッドの上で翔くんを押し倒そうとした俺を止めた。
「なに?」
そのままの体勢で止まった。
「ローション取ってくる」
「あるよ」
そう言ってベッドサイドの引き出しから、新品のローションとゴムを取り出した。
驚いた顔をする翔くん
今までは、ローションを準備するのも翔くんだった。
俺は一度も用意したことがない。
「なんであるの?」
「昨日の内に用意しておいた」