第9章 深愛
「え、ニノそれ許したの?
だって反対だったんだろ?リーダーの事」
潤くんが驚いた。
「反対でしたよ…
でもね、翔さんが記憶なくしたのは大野さんの為だったし
俺と付き合ってるのに好きになっちゃうし…
そんな深い想いには勝てないよ
その時には大野さんも翔さんの大切さわかってたし、自分の過ち後悔してた…
だからしょうがないなって」
「ニノ、ごめんね…」
「だから、翔さんは悪くないって…
鈍感過ぎるこのおじさんが悪いの」
「はい、すみません…」
「だからね、相葉さん、潤くん、このおじさんが翔さんに愛情過多の態度を取っちゃうかも知れないけど
翔さんの為に大目に見てあげて?
翔さんはそれだけ辛い思いしてきたんだから」
「いいよ~、ふたりが幸せそうだと俺も嬉しいしぃ」
「まぁ、リーダーからかうの面白いしな」
「ありがとう、みんな…」
翔さんが、嬉しそうに微笑んで、俺の前に来るとぎゅっと俺を抱きしめた。
「ありがと、ニノ…大好きだよ」
「翔さん離して…昨日の相葉さんじゃないけど、俺、大野さんに怒られるから」
「いいんだよ。俺から抱きしめてるんだから」
首だけ大野さんの方へ向けると、苦笑いした大野さんと目があった。
「しょうがない…翔くんがそう言うんだから…」
「それじゃあ、ありがたく受け止めましょ」
その後ふたりが仲良く楽屋を出ていくと、相葉さんが俺の事をいきなり抱きしめた。
「なに?相葉さん」
「ニノ~、偉かったねぇ」
「どうしたの急に?」
潤くんも俺の横に立って、頭をポンポンと優しく叩いてくれた。
「ニノの愛情もさ、深いと思うよ?
ただあのふたりが、お互いを想い合ってただけでさ
想いの強さは、あのふたりに負けてないと思う」
「そうだよ!翔ちゃんの為に身を引いたんでしょ?
それって、でっかい愛じゃん!」
そっか、負けてなかったんだ…
相手を想って身を引くことが深い愛の場合もあるんだ。
このふたりはそれをわかってくれた…
ほんと、こんな天の邪鬼な俺を理解してくれる最高の仲間だよ。