第9章 深愛
レギュラー番組の収録後
ニコニコと微笑み合いながら帰ろうとする大野さんと翔さんがいた。
「え~!ふたりとも帰ろうとしてるの~?」
引き止める相葉さん。
「帰るよ?もう仕事終わっただろ?
この後も入ってないし」
「昨日の話の続きは~?」
「は?何言ってんの?」
驚きの表情をする大野さん。
「だって、またしてくれるって言ったじゃん」
「今日とは言ってないだろ?」
「昨夜、気になって眠れなかったんだよぉ」
相葉さんが口を尖らせてる。
でも、絶対嘘だろ?眠れなかったなんて。
「まあ、気になるよな…
Jr.の頃から関係持ってたなんてさぁ
俺たち全く気が付かなかったしな」
「ねぇねぇ、なんでそんな事になったの?それだけ教えてよぉ」
退かないねぇ、相葉さん
俺も止めないけど。
「はぁ~。そんなの聞いたってしょうがないだろ?」
「知りたい!知りたい!知りたい!」
こうなった相葉さん、誰も止められないよねぇ。
「俺から誘ったの…
この前、ホテルで話してただろ?昔は、本持ち込んだ奴がいたって
あの時もそうだったんだよ…
それで智くんの事好きだったから『俺としてみない?』って言ったの」
翔さんが渋々答えた。
じゃないといつまで経っても帰れないもんね。
「え?それでリーダー誘いに乗ったの?」
「…乗った」
「男相手でいけたんだ…」
「いけた。まぁ、相手が翔くんだったからなんだろうけど…
後から気がついたんだよ。その頃から翔くんのこと、好きだったんだって」
「あぁ、リーダー言ってたな。翔くんだけは可愛がってたって」
「ほんとは最初から特別な存在だったんだよなぁ」
「その後付き合おうとかなかったの?」
「…なかった…自分の気持ちわかったの最近だし
体の関係だけ続けてた」
「マジで?ひでぇなぁ、リーダー」
「最低の行為だったと思ってるよ」
大野さんが眉を下げて情けない顔をした。
「ほんとにねぇ…翔さん可哀想だったよ~」
「え?なになに?ニノは知ってたの?」
「知ってた…翔さん泣いてたもん」
更に眉毛が下がる大野さん。