第9章 深愛
「でもさぁ、なんでいきなりそんな事になったの~?」
相葉くんが不思議そうに聞いてきた。
「確かに急だよなぁ
昨日までリーダーの事忘れてたんだろ?
記憶が戻った途端付き合い出すって、どういう経緯?」
松潤も興味深々だ。
「あ~、えっと…話せば長くなるから、また今度な?」
智くんが誤魔化そうとしたけど、そんなんで納得する訳ないよな。
「えー!ちょっとくらい教えてよ」
不満そうな相葉くん…
そりゃそうだ
ふたりには心配かけたし、ちょっとだけ話してもいいかな。
「俺が、記憶をなくす前から、智くんの事好きだったの
そして記憶をなくしても、智くんの事を好きになった…
その気持ちに、智くんが応えてくれたんだよ」
「え?翔ちゃんからなの?
大ちゃんからじゃなくて?
さっきの感じだと、大ちゃんの方が翔ちゃんの事好きそうなんだけど」
「初めは俺からだよ」
「ん~…なんかわかるかも…
翔くん、リーダーの前だと可愛かったもんなぁ」
「あー!そういえばそうだったねぇ…
言われてみれば、恋する乙女の表情かぁ」
恋する乙女?俺そんな顔してたの?
「じゃあ、翔くんからコクったの?」
「いや、それは俺から」
「え?なんで?翔ちゃんが好きになったのに大ちゃんがコクったの?」
「だから、そこを話すと長くなるんだって」
苦笑いをする智くん。
「え~、だってここまで聞いたら気になるじゃん」
「だよなあ」
「自分で気が付かなかったんだよ
俺も翔くんの事が好きだってこと…
夕べ、全てを思い出した翔くんと話し合って、付き合うことにしたの」
「なんで急に記憶が戻ったの?」
「昨日、相葉くんが初体験の話ししようって言い出したから」
「「え?そうだったの?」」
智くんと相葉くんの驚く声が重なった。