第8章 真実
翔くんの瞳が少し悲しそうに見えた。
「ごめん…」
翔くんの事をぎゅっと抱きしめると翔くんも俺に抱きついた。
「いいよもう…
だってこの先、幸せにしてくれるんでしょ?
今までの時間より、これから先の時間の方が長いんだからね?
智くんが言ったんだから、ちゃんと責任取ってよ?」
翔くんは少し顔をあげ、俺の表情を確認するように見た。
「はい、わかってます」
「ならよろしい」
そう言って嬉しそうに微笑んだ翔くんは、また俺に抱きついてきた。
俺の胸の上にある翔くんの髪を梳くように撫でてると、翔くんの笑いが声が聞こえる。
「ふふっ、やっぱり智くんの手、安心する」
「俺の手?」
「そう…俺さそうやって髪触られるの好きなんだよね。
で、ニノも触ってくれたの…
でもちょっと違かった…
ニノの手も優しくて好きだったんだけどね」
そんな事を言っちゃう翔くん、駄目だよね?
恋人の前で、他の人にされた事話しちゃうなんてさ?
しかも好きだなんて…
確かに悪いのは俺だけど
ニノに翔くんの事任せようとしたけど
それとこれとは別問題だよ。
俺は体を返して翔くんと体勢を逆転させた。
「智くん?」
俺の事を不思議そうに見上げる翔くん。
「他にニノとどんな事したの?」
そう聞くと頬を紅く染める翔くん。
「何って…子供じゃ無いんだから、それなりの事はしたけど…」
そりゃそうだよな?
ニノに抱かれたのはわかってる。
でもさ、それを頬を染めながら、恥ずかしそうに話すってどうよ?
あぁ、俺って小さい人間…
自分のモノになった途端ヤキモチ妬くって…
あの翔くんの綺麗な姿を、他の奴が見たなんて…
俺だけしか知らない翔くんだったのに。
「智くん、どうしっ…!」
翔くんの唇を、勢いよく塞いだ。
唇を、無理矢理舌で割り開き、咥内へ侵入させる。
「んっ…」
翔くんの甘い吐息が聴こえると更に深く舌を絡め捕った。