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あの日の君に 《気象系BL》

第8章 真実


「貴方が引き取ってくれないなら、この先死ぬまで俺はひとりでいることになる。
貴方はそれでいいの?」

翔くんの大きな瞳が、俺をしっかりと捉えてそう言った。

いい訳ない。翔くんには、幸せになって貰いたいんだ。

ひとりでなんて、いさせない。

翔くんが、どれだけ俺の事を想ってくれてるのかわかってるつもりだったのに、また翔くんを傷つけた。

自分のしてきた罪が、あまりにも重かったから
翔くんがニノを選ぶ可能性を否定しきれなかった。
翔くんの気持ちを疑った訳じゃない…
でも、翔くんからしてみればそう思える発言だよな…

俺ってほんと駄目なやつ…でももう迷わないから。

翔くんの事をしっかりと見つめ返す。

「良くない。翔くんの事は俺が幸せにします!
だからこの先の人生、俺と一緒にいてください」

そう言って頭を下げた。

「…はい。よろしくお願いします」

頭の上から、翔くんの嬉しそうな声が聞こえて体を起こした。

目の前には泣きながら、嬉しそうに微笑んでいる翔くんがいた。

「また泣いて…」

「いいんだよ。嬉し泣きなんだから…
それに今日は仕事ないし」

「でも、そんなに泣いたら目腫れるし
皆に俺が泣かせたと思われるじゃん」

「だって、智くんが泣かせてるんじゃん」

「あ、そっか…じゃあしょうがないや
好きなだけ泣いていいよ」

両手を広げると、翔くんが俺の胸に飛び込んできた。

その勢いでふたりしてひっくり返ってしまった。

「ちゃんと受け止めてよ」

俺の上に乗ったまま不満そうな翔くん。

「翔くんの勢いが凄いんだよ」

「俺の想いはそのくらい強いんだよ!」

「俺だって負けないくらい強いよ!」

「いーや、絶対俺の方が勝ってる!」

「そんな事ないってば、俺だって翔くんの事好きだよ!」

「俺は好きじゃなくて、大好きなの!」

「じゃあ、俺は大大だーい好き!」

翔くんは目を見開くとプッと吹き出した。

「子供みた~い」

「翔くんが俺の気持ちわかってくれないからだろ?」

「わからないよ、智くんの気持ちなんて…
わかってれば、こんな遠回りしなくて済んだんだから」
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