第13章 リアル非充実(1)
「残念ながらそっちはねぇよい」
何人かの顔が浮かぶ。でも俺は奴らの誰にも応えることはできなかった。
「ですよねー。ないですよねー」と見下したように笑うような反応がくることも想定していたが、
「そうですか……『残念ながら』、ですか……」
と反芻するので、俺の胸の奥のほうでとけていくものがたしかに感じられ、そのことによって、男の肉体というだけの理由で彼らを受容できなかった罪悪感に似たものがあったのだと知った。
はどうなのか、と訊き返さなかったのではなく訊き返せなかったのだということは認めよう。その理由を分析するのは面倒だ。
なんだか思う存分暴れたい。隊長格を相手に手加減なしで体を動かしたくなった。サッチは除外。イゾウもやっかいだ。いま暇そうな隊長は誰だったかリストアップする。