第5章 今日は私の部屋が狭い件。
「まったく信じらんない!乙女の部屋に勝手に入ってくるなんて…」
「乙女というほどヤワじゃねーだろ、てめーは…」
「…ぐぅ」
いつも堂々としてるサンジさん
今は何となくだけど、背中が丸まって自信なさげに見える。
暴言はいつもどおりだけど、どうしたんだろ。
「で、何で私の部屋にいるんでしょうか…」
「お前はどう思ってんだ?クソマリモのこと」
「……はい?」
クソマリ…ああ、ゾロさんのことか。
「ゾロさんがどうかしたんですか?」
「いや…あいつがどうというよりは、お前がどう思ってんのかってことだ」
「へ、いや、あの、ゾロさんは無愛想だけど」
「おお」
「いざというとき、頼りになる」
「ほう」
「お兄ちゃんみたいな存在…です」
こ、こんな感じで良かったかな?
ちらっと横目でサンジさんを見ると
真剣な顔をして下を向いていた。
「そうか…兄貴みたいな存在」
「そ、そうです」
「じゃあさ」
「は、はい」
「俺のことはどう思うの……?」
サンジさんの綺麗な髪が、ふわっと揺れた。