第6章 敵陣営へ
「 えっと…金平糖ってどこだろう。すぐに見つかるかな 」
八百屋「 独香さん! 今日は一人ですか? 」
「 あっはい。おつかいを頼まれて… 」
様 と呼ばれるとぎこちないので
こっそりさん付けにしてほしいと頼み、一人でいるときは
見知った人たちには さん と呼ばれるようになった
「 金平糖、どこにあるか分かりますか? 」
八百屋「 それならここを少し行けばありますよ。
高価なのですぐに分かるはずです 」
「 高価…ありがとうございます 」
いえいえ と手を振ってくれる
( 金平糖ってこの時はまだ馴染みがないのかな )
言った通り、すぐに見つかった。高価で、綺麗に包まれている
「 これ、お願いします 」
喋ったことのない女性。
城の人と気づいてないのか、少し身構えながらもお金を渡す
店主「 ありがとうございます。…売れて良かった 」
「 ?? 」
店主「 高価だから手に取る人が少なくて。
あなたみたいに綺麗な人が買ってくれて嬉しいわ 」
安心するように微笑む
「 …なら、あなたのように優しい方に売ってもらえて喜んでますよ 」
店主「 金平糖が? …ふふっ、あなた面白いこと言うのね。嬉しい 」
「 えぇ? …アハハ、失礼します 」
店主「 また来てね。今度はゆっくり話したいわ 」
「 分かりました。また 」
店主「 …あなたも充分優しい人です。独香様 」
気付かないうちに、誰かを笑顔にしている
それに気付くのは…きっとまだまだ先の話。