第5章 当たり前
言われた通り、独香は動かず固まっていた
「「 ………… 」」
沈黙の流れる中
慣れた手つきで着せられていく
暑く感じるのは
お風呂に入ってたせいか、緊張から―?
耳に息がかかる度にビクッと反応してしまう
信長「 ……… 」
当の信長は着付けが終わるまで何も言わなかった
ぽん と背中に手を置かれ、終わったことを告げられる
( …何か言うかと思ってた )
後ろを見上げると、さっきまで笑っていた信長の笑顔はなく
真剣な表情をしていたまま独香を見つめていた
「 あの…? 」
信長「 …その肌色を誰が奪っている 」
「 肌?? え、と 」
頬に手を伸ばされ、優しくさすられる
赤ちゃんをあやすような手触り
信長「 …戻るぞ 」
「 はい……、? 」
手を引かれ、湯浴みを終える