第5章 当たり前
いくら拭っても溢れる涙
秀吉「 もう泣くな、起きたことはしょうがない。
今分かることをしっかりさせていこう。な? 」
独香「 っう、ん 」
光秀「 何か、覚えていることはあるか
最低限のことは覚えてるだろう 」
独香「 最低、限……っあ 」
チャリ…とペンダントを外し皆の前に置く
信長「 それは何だ? 」
独香「 ペンダント、です 」
政宗「 ぺんだんと…? 聞いたことないな 」
光秀「 未来のものか 」
独香「 うん、この中に写真があって… 」
ペンダントを開くと、その中には色褪せた女の人の写真
三成「 しゃしん…? 」
家康「 全部未来のものなの? 」
独香( カメラが無いなら写真もない…か )
「 そう、なの 」
信長「 これは誰だ 」
政宗「 目元といい、雰囲気もなんかお前に似てるような 」
そう聞くと独香は一度呼吸を置いて重そうに口を開いた
独香「 私の、お母さん…です 」
三成「 独香さんの… 」
その女性は穏やかな笑顔でこちらを向いていた
褪せていたが、それでも一同は綺麗だと感じた
信長「 母親か。何故これを 」
独香「 …私、会ったことがないんです 」
家康「 母親と? 」
コクッと頷いてペンダントを優しく撫でる
独香「 私を産んだと同時に亡くなったんです 」