• テキストサイズ

イケメン戦国〜武将と私のmemories〜

第5章 当たり前


( また、夢? 起きなくちゃ、さっきの言葉どういう… )

目を覚ますと、そこは先程までいた安土ではなかった
「 …? ここ、」

暗い、暗いその中から声が聞こえる
か細く、小さな声

〔 ねぇ もう少しだけもう少しだけ…

我儘をね、聞いてほしい

愛していると その声を

どうか私にも 聞かせてほしい 〕

( この歌は… )

どこか、懐かしいと感じる歌
その声の方へ歩く

だんだん光が見える
ふと走ってしまう

( 人影、)

小さな人影

それはこちらを振り向くと歌うのをやめ
言葉を放つ

〔 あなたはずっと逃げる いつまでも いつまでも
会うためと言って 私たちから逃げる
あの場所に依存して 私たちを捨てていく
そんなの 許さない

忘れるなんて 許さない 〕

「 忘れ…? 待って、あなたは… 」

影で見えないまま私に言う

〔 許さない 〕

「 っ―!! 」

影が増えていく

〔 捨てないで 〕〔 ここへ来て 〕〔 逃げないで 〕
〔 置いていかないで 〕〔 忘れないで 〕

いかないで いかないで いかないで

いかないで いかないで…

「 いた、い…! 」

許さない

「 やめて…やめて! 」


恨んでやる


「「「 うあ”ぁ”ぁ”ぁぁぁぁ!! 」」」

「 っはぁ、はぁ……こわい、怖いっ 」

何も見たく、ない

逃げるように毛布へ包まる

小刻みに震えていることが自分でも分かる

〔 逃げる 〕

「 逃げてなんか、ない…こんな、の嫌、だ 」

自然と首元に手が重なる

息が苦しい

呼吸が、辛い

でも

「 死にた、く… な、い 」

「 独香!! 」

そこに、皆の声が聞こえた―
/ 114ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp