第5章 当たり前
信長「 して猿よ。独香の様子はどうだ 」
独香が去っていくのを確認すると信長の声がかかる
秀吉「 城下へ連れて行くと多くの者から声をかけられていました。本人は慣れていないのか驚いていましたが 」
政宗「 ははっまだまだ慣れないか 」
信長「 全くだな。…で、他にもあるのだろう? 」
見透かしているように秀吉を見て笑う
( こんな雰囲気の中だと話しにくいが… )
「 遠くから観察をしていると、物陰から何者かの気配がありました 」
光秀「 どこの者かは 」
秀吉「 そこまでは確認出来なかった。申し訳ございません御館様 」
信長は神妙な顔を浮かべる
光成「 信長様…私からも一ついいでしょうか 」
信長「 良いだろう。話せ 」
光成「 私が独香様を秀吉様の御殿へ案内している時、
軽い頭痛が起きて… 」
家康「 また倒れそうになったの? 」
光成「 いえ。ですが、一瞬なんです。
独香様の瞳に影だけが覆うように…光がないように見えて 」
政宗「 なんだそれ、まるであいつの中に別の… 」
「 うあ”ぁ”ぁぁぁ! 」
政宗の声が安土城に響く声によってかき消される
秀吉「 今のっ… 」
家康・政宗「 独香! 」
信長「 どこからだ! 」
光成「 恐らくお部屋から…! 」
信長「 早く行くぞ。軍議は終わりだ 」
「「「 はっ 」」」
声のした方へ走り出す
普段は走るなと言う秀吉も
この時だけは駆け出していた