第4章 時代と歴史
信玄「 おぉやっぱりあの時の嬢さんか!
…随分と可愛らしくなったな、俺の目は間違ってなかったか 」
一人で勝手に納得する信玄を見つつ、独香は思った
独香( ん…? ここって安土…確か会ったとき政宗が
「 ここは安土の領域だ 」って言ってた、よね? )
チラッっと信玄をみると笑みを浮かべてこっちを見ていた
信玄「 ここは危ないんじゃないかって目してるな 」
独香「 !! 」( 読まれてる…ここは、もう )
素直に聞こう と口を開く
独香「 あの…ここって安土の領域ですよね…? 」
信玄「 そうだな 」
( あ、あっさり… )
独香「 信玄さんって敵、ですよね…? 危ないんじゃ…? 」
( 政宗が息の根をとか言ってた、殺されちゃう )
信玄は一つ息を吐く
信玄「 敵だからってここに来ちゃいけない決まりはない。
嬢さんこそ敵の俺と喋ってて良いのか? 」
独香「 …敵、ですけど私のこと気にかけて下さるので
怖い方に見えなかった、です 」
ジッっと見上げる
信玄「 ! 嬢さんの目は…危ないな 」
独香「目 …? あと、独香です。嬢さんなんて似合いません 」
信玄「 独香か。…… 」
じぃーっと見つめられ反応に困る
独香「 えっ、と 」
秀吉「 おーい、独香ー? 」
独香「 あ、秀吉さんの声… 」
信玄はその声に反応すると独香の耳元に顔を近づけ囁く
信玄「 お前さんを連れて行きたいとこだが…今は我慢だな
その瞳の光と影、ちゃんと制御することだ 」
独香「 え? どういう… 」
顔を上げると
「 あれ…?信玄さん… 」
信玄の姿はどこにも無かった