第4章 時代と歴史
独香は「 なんのことやら 」と言いたげな顔で秀吉を見つめる
秀吉( その目で見つめるのは卑怯だぞ…無防備すぎか )
「 お前が気を失ったときあっただろ? 」
独香「 う、うん 」
秀吉「 あの時の信長様の表情が俺が見たことないような顔だったんだ 」
独香「 見たことない…? 」
秀吉「 あぁ 」
独香が気を失ったとき…
秀吉[ 信長様、そんなに馬を速めてはその者が… ]
信長[ …此奴は俺の命を救った者だ。こんなところで何かあっては困る
危害など加えはせん………何故だろうな秀吉 ]
秀吉[ …? ]
信長は独香をしっかり支えて秀吉の方を向く
信長[ 俺は今、心の底からこいつを助けねばと感じておるのだ。
何者かも詳しくは分からぬのに、こいつが気になって仕方がない ]
その顔は真剣そのもの。
秀吉( 女性に対してここまで真剣な顔をする信長様は…みたことがない )
秀吉[ それは…無条件に信頼したいということですか? ]
信長[ 知らぬ。…だが、捨てることはないだろうな ]
秀吉[ …左様ですか ]
信長[ ちゃんと面倒をみることだ、秀吉。
此奴は何か運んでくると思うぞ ]
秀吉[ 何かとは…? ]
信長[ さぁな ]
秀吉「 …ってことがあってな 」