第4章 時代と歴史
秀吉の御殿へ向かうと冬らしい冷たい風が吹いていた
独香「 〜っ! 雪…冷たい 」
三成「 寒くありませんか? 」
独香「 だ、大丈夫 」
「 我が儘言いやがって!! 」
独香「 っ…いぁ 」
突然、頭に痛みがはしる
三成「 !! 独香さん、どうしました?? 」
自分がいることを分からせるように独香の前へ出る三成
独香( なんなの…さっきからこの声といい… )
「 ご、ごめんね。大丈夫だよ 」
三成「 独香さん、最初もこのような感じで気を失いましたよね。
度々起こるものなんですか? 」
頭を押さえながら口を開く
独香「 違う…かな。ここに来てからなの。急に声が鳴り響いたり、
あの時は…覚えてなくて、」
三成「 誰の声かは分かりませんか? 」
追い詰めないように、慎重に尋ねていく
独香「 …モヤモヤするの、分からないけど…何か、怖いんです 」
俯く独香をしゃがんで覗くと
三成「 独香さ、っ!? 」
思わず肩を掴んで顔を近づける
独香「 !?!? どうした、の? 」
ハッっとして手を離す
三成「 い、いえ。落ち込んでいるように見えましたので… 」
話題を変えようとすると秀吉の御殿 へ着いていた
三成「 あ、着きましたよ。ここが秀吉様の御殿です 」
独香「 あ、ありがとう 」
三成「 秀吉様はおそらくあのお部屋にいらっしゃると思います。
わからなくなったら女中さんが教えてくれますよ 」
独香「 分かった、行ってきます。」
三成「 楽しんできてくださいね 」
独香「 うん 」
段差に気をつけて御殿へ入っていく独香を見届け
来た道を引き返す