第1章 魂の向こう側
織田信長。その名前を聞いた瞬間、背筋が凍った
(ちょっと待って…私、飛び降りたんだよね?待って待って…頭が追いつかない
本能寺に織田信長…??いやいやいや、この組み合わせって言ったら…
でも私がいたのは平成だよ…?しかもこれが合ったのなら、今私がいるのは…)
顔を俯かせ考え込んでいると後ろの方から声が聞こえる
???「信長様!!よくご無事で…!お怪我はありませんか」
紫色。そして穏やかな笑顔。ニコニコと笑うその笑顔はこの場には不釣り合いだ
信長「三成、お前だけここにきたのか」
三成「いえ。後に秀吉様方もこちらへ。…? そこの方は?」
ビクッと独香は肩を揺らす
(私のことなんて気にしなくて良いのに…)
信長「独香、あいさつしろ。」
冷めた目で私に言う
(…!! そんな目で見ないで…)
渋々立ち上がり口を開く
「独香…です」(苗字言わない方が良いよね…。言いたくないから良いかな。)
三成「独香様ですね。私は石田三成と申します。もしや、お怪我を?」
優しい声色で問いかけてくる
(雰囲気が正反対…。でも信長さん(自称)は私も一緒に助けてくれたし…悪い人には見えない)
「い、いえ…少し考え事を…」
信長「こいつは俺の命を救った。寝ているところを狙われたようだ」
三成「本当ですか!!それはそれは…。感謝致します独香様!」
信長「して三成。尻尾は掴めたか」
三成「残念ですがまだ…。政宗様が現在、山手の方を。そちらに逃げたことは間違いありません」
(2人とも話し込んでる…今なら抜けていいよね?)
チラッと反対側を見る
(森…。暗いけど、暗いところなら…)
『お前に光など要らん。独りで暗闇に溺れてろ』
記憶が流れる
(…うん、大丈夫。慣れてる。早く行こう)
音立てることなく私は2人の元を去った