第3章 再開、そして出会い
独香「 …あ、れ? 私… 」
辺りを見渡すと、壁に背を預けるように眠る秀吉さんがいた
独香「 秀吉さん…?それにここって…? 」
キョロキョロと見渡していると、秀吉が起き、
秀吉「 っ独香、お前大丈夫か!? 」
そう言いよってくる
独香「 大丈夫…?あの、私一体… 」
秀吉「 お前、頭痛で気失ったんだよ。ここに寝かせてもずっとうなされてたんだぞ 」
独香「 頭痛… 」
秀吉「 何か嫌な夢でも見たのか? 話してみろ。聞いてやるから 」
ポンポンと頭を撫でてくれる
でも、
独香「 …? 覚えてないです 」
何を見たのか分からない。
怖かったことだけは分かるが、それ以外は私は何も覚えていなかった
秀吉「 本当か? まぁ、思い出さない方が良いこともあるしな…。」
独香「 そう…ですよね 」
独香( 怖かったことしか残ってないし…秀吉さんの言う通り思い出さなくても良いかな )
考えていると、秀吉さんがパンッっと手を叩いて
秀吉「 よし、もう動けるか? 速急で帰ってきたから夜明け前に帰ってこれた。
朝だし、もう朝餉の準備も出来ているだろう。」
と言った。
独香「 朝餉…? ご飯…?えっと、飯…ですか…? 」
秀吉「 あぁ、飯だ。あいつが作っただろうから上手いと思うぞ 」
独香「 あいつ…? 」
秀吉「 誰かは食ってからだ! あ、敬語。要らないからな? 」
クルッっとこっちを向く
独香「 え、そんな…悪いでs 」
口を塞がれて囁くように言われる
秀吉「 俺が良いって言ったんだから良いんだよ? な? 」
独香「 …コクッ 」
秀吉「 良い子だ! ここのこと良く知らないだろう? 城下とか案内してやるよ 」
独香「 ありが、とう 」
そしてまた、「 あっ 」っと声をあげると
秀吉「 飯食ったら、先に三成に髪切ってもらえ。昨日は切れなかったからな。」
そう言いながら前髪をサラッっと流す
独香「 う、うん。分かった。」
何気ない動作に鼓動が高鳴る
独香( 秀吉さんって…何か…お兄さんって感じ… )
そう思いつつ、食堂へ向かう