第6章 敵陣営へ
一方、安土では…
秀吉「 …遅い 」
腕を組み、指をトントンと鳴らす秀吉
その周りには政宗と信長が座っている
政宗「 あいつにとって楽しく居られる場の一つなんだろ。
約束の刻時を忘れるぐらいにな 」
秀吉「 だとしても遅くないか? 」
政宗「 …まぁ、確かにな 」
何度か外を見ていると信長の口が開く
信長「 …妙な感覚だ 」
秀吉「 妙、ですか? 」
政宗「 御館様がおっしゃると当たりそうだな 」
秀吉「 そのようなことを言うな 」
たったっ… と誰かの走る音
それは自分たちのいる部屋へと近づいている
「「「 ………… 」」」
息を殺す
音が止まると
襖の前で はぁ と息を整える声
秀吉が襖を開け、その者を見る
秀吉「 城の中を走るとは……って、何故門番のお前が? 」
そこにいるのは、今日の担当である門番の姿
その男性は秀吉に紙と包みを渡し、言う
「 独香様が…!上杉の元に連れて行かれました!! 」