第6章 敵陣営へ
フッと微笑んだあとに
幸「 謙信様、どうなっても知りませんよ 」
謙信「 戦でも同じことだろう。どうなっても策はある 」
また会話を進める
手を置かれていた頭に自分の手を当てて呼吸を落ち着けさせる
( …被害者、として居れば良いのかな。でも秀吉さん…怒る、よね )
佐助「 置いてきました 」
謙信「 行くぞ。乗れ、独香…といったな 」
フワッとしたと思えば、馬の上にいて既に駆け出していた
これから、人質…攫われる。
安土からどんどん離れていく
隣を見れば、そこにいるのは敵であるはずの人たち。
幸との会話を思い出し
大丈夫……すぐに帰れる
と、そう望んでいた
…まさか、何週間も居座るなんてこの時、私は考えていなかった
そして、約束の時間はとっくに過ぎていることにも。