第6章 敵陣営へ
男「 あ"? なんだ女か 」
男2「 悪いね、今は取り込み中だから向こうに… 」
「 い、いかさまは……… 」
( 助けなくちゃ )
無我夢中に叫ぶ
「 いかさまは駄目!!! …デス 」
男「 いかさま…? 」
「 や、野菜の傷は…元々じゃない…です、よね 」
八百屋「 …!? 」
男「 チッ 見てやがったか 」
刀の光が見える
斬られる そう感じると体が怯んでしまう
八百屋「 いけません独香様…! お逃げ下さい! 」
「 で、でも… 」
男「 …様? この者… 」
避ければ、店主に刀が当たるだろう
血が出て、倒れて、最悪の場合……そう思うと逃げれない
ギュッとペンダントを握る
男の方へ振り向きなおし、庇う
男はニヤリと笑い構える
男「 こりゃ良い。逃がしておけねぇな 」
男2「 予想が当たればこの者だ 」
「 っ……! 」
八百屋「 独香様!! 」
キンッ…
???「 …女に手を上げるとは…愚かだ 」
男たち「 なっ…!? っぅ… 」
日に照らされ、3つの光が視界を奪う
( ………あ、れ? )
気がつけば、気を失っているのか倒れている男たち。
その人たちを横目にこちらに振り向く
???「 お前も何も持たずに出るとは余程の死にたがりのようだな 」
「 …えっと…? 」
目の前にいるのは左右の瞳の色が違く、
冷静な雰囲気を纏った人物
刀を収め、表情ひとつ変えずに独香を見つめる
???「 織田の者だろう。…あの者に女とはな 」
ブツブツと呟く
( …もしかして、安土の人じゃない? )
「 あの、ありがとうございます。助けていただいて… 」
???「 勘違いするな 」
「 え? 」
???「 助けたわけではない。気分の妨げとなった奴を黙らせただけだ 」
軽蔑するように見つめられ、鳥肌が立つ
( ちょっと、怖い… )