第2章 魂の向こう側 信長side
「貴様の名を聞いているのだ」
独香「七瀬…独香です」
「ほぅ…。俺を助けたのは褒美目当てか。」
俺を助けたのだ。何か礼はしてやろう
独香「そういうのでは…あの、あなたの名前は?」
褒美目当てではないのか。
しかも俺の名まで知らないのか? 奇妙なやつだ
「織田信長だ。俺の名を知らずに助けたのか。」
名を言うと独香は目を見開き俯いた
小さく息を吐いていると、後ろの方から三成の声が聞こえる
三成「信長様!!よくご無事で…!お怪我はありませんか」
信長「三成、お前だけここにきたのか」
三成「いえ。後に秀吉様方もこちらへ。…? そこの方は?」
ビクッと独香は肩を揺らし顔を上げた
信長「独香、あいさつしろ。」
独香は一瞬怖気付いた顔を見せるが
渋々立ち上がり口を開いた
「独香…です」
三成「独香様ですね。私は石田三成と申します。もしや、お怪我を?」
「い、いえ…少し考え事を…」
(考え事…?名を聞いただけで何を考えている?)
信長「こいつは俺の命を救った。寝ているところを狙われたようだ」
三成「本当ですか!!それはそれは…。感謝致します独香様!」
信長「して三成。尻尾は掴めたか」
三成「残念ですがまだ…。政宗様が現在、山手の方を。そちらに逃げたことは間違いありません」
山手か。信長は何か思案するように目を細める
(山手となれば、政宗に任せておけば問題はあるまい。秀吉もこちらへ向かっているのなら)
信長「政宗が戻ってき次第、軍議を開く。独香、貴様もこ…」
呼びかけるがそこに独香の姿はなかった
三成「独香様? どこへ…」
信長「門から出たのならすぐ分かるはずだ。」
三成「ならばまさか山手の方へ…」
俺たちから音なく逃げるとは。面白いやつだ。
少し思案した後、三成へ告げる