第1章 ♡ 好きって言ってよ【赤葦京治】
『けい、じ...。』
「ごめん、マジで余裕ない...。だから、早く好きって言って。」
京治の悲しげな顔が目の前に映る。
違う、そんなかおさせたいんじゃ、ないのに...。
『私...。京治だけ特別、なの。京治が悲しい顔をするのは、嫌だ。』
そういって私は繋いでいない方の手で京治の頬を撫でた。
『...これが、好きって事なんだね。』
私が言うと、京治は少し微笑んで、「やっと言ってくれた。」と言うと、私にそっと口付けた。
「嫌?」
『嫌じゃない。』
そういうと、もう一度口付けをした。
重ねるだけのものから、ついばむようなキスへ。
『んっ...』
はじめは何も感じなかったのに、今は全身が溶けるように熱い。
『京、治...。んんっ。』
突然、口の中に入ってきたものは、京治の舌だった。
上顎、奥歯、はたまた、歯茎まで。
全てが溶けていくように、
気持ち良い。
そして、下半身が、熱を帯びる。