第1章 ♡ 好きって言ってよ【赤葦京治】
「そうなの?はじめて聞いたけど。」
横目にちらりと見ると、京治は天井を見ながらサラリと答えた。
『付き合うとかさ、何するの、かな。』
...なに聞いてるの、自分!
『ごめ、今の無しで「キス。とかでしょ?」
被せるように放った京治の言葉は、熱い。
キス。...キス。
その言葉が、頭の中に広がった。
キスとか、その先とか。あまり好印象では無いけど。
『京治、なら。良いかも…。』
自分が誰か男の人にそういうことをされると、気持ち悪...と思ってしまう自分も、まぁ、京治ならいいかな~なんて思えた。
「俺ならいいんだ。...ふーん...。それは、好きとは違うの?」
『よく分かんない。』
「逃げないで、ちゃんと考えてよ。」
不意に、手を握られる。
『えっ、でも...。』
「今、どういう状況か分かってるの?自分の事好きな男と部屋で二人きりなんだよ?」
『...うん。』
「そんな赤い顔してキスしても良いとか言われるとさ、押さえらんないんだけど」
『...わっ!』
ドサッ、とベットに押し倒される。
身動きがとれず、足ばかりをバタバタさせる。