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バレーよりも甘い[HQ/R18]

第4章 寝顔【牛島若利】[生誕記念]


その日からは、ぎこちなかったけど、ほとんど毎日若利と話すようになった。


月日が流れ、それは中学でも高校でも続いた。


そしてあるとき、「お前がほしい。」と言われた。


高校2年の、入学式の日だった。


あんまり目立たない、校舎裏の桜並木が綺麗なベンチのところで、そっと。


私は、告白をOKして、ずっと寄り添った眼鏡もポニーテールもさよならした。


ちなみにひっこみじあんなキャラとも。



私はあの時の若利の寝顔も、まっすぐな瞳も忘れてない。





そんなことを考えながら、靴をはきかえて外に出た。



「...あ、リンカさん、ちわっす。」


「リンカさんじゃないすか!こんにちわっす!」


話しかけてきたのは、賢二郎と工。


どっちも若利と私の後輩で、とてもいい子。


『若利見なかったかなぁ?』

「...すみません、見てないです。」

申し訳なさそうにいう賢二郎に『そっか、ありがとう』といって工の方を見る。

工は、「昼寝してるところじゃないですか?場所はしらないけど、いくって言ってた気がします。」


昼寝、してる所。


私は、その場所を知らない。


けど、予想は出来た。


「木漏れ日が暖かくて安心できる。

なんだか、昔座ったお前の席のような感じだ。」


そういってくれたのを覚えてる。
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