第3章 ♡優しい先輩【菅原孝支】
菅原先輩の腕からゆっくり力が抜けていき、ゆっくりと菅原先輩が遠ざかる。
『...んっ』
不意打ちの二回目のキスに、体が跳ねる。
今回のキスは甘い。
『...っ、せんぱ...い。』
何度も何度も重ねるだけのキスを繰り返すうちに、顔が熱くなって、目がとろんとしてるのが自分でもわかる。
「そんな声出されちゃうと、俺、我慢できないよ。」
我慢...。
何のことを言ってるのかは分かる。
...怖いかと言われたら怖い。
でも、菅原先輩とならシテみたい気持ちもある。
『...あの、我慢...しなくていい、です、...よ?』
震える声で言えば、さっきよりも真っ赤になる顔。
「山浦...本気?怖くないの?」
『...怖くないです。』
そういって菅原先輩のジャージをつかむ。
「...わかった。けど、嫌だったり痛かったりしたらちゃんと言って。
俺、山浦......リンカのこと、大切にしたい。」
菅原先輩は、ジャージをつかんでいる私の手をそっとつかんで、手の甲にキスを落とす。
ちゅ、と可愛いリップ音をたてて、私の手に赤い花びらが咲いた。
『先輩...これ。』
「...俺のって印。もう誰にも渡さないし。」
笑ながら私の頭を撫でた菅原先輩が、今度は私の唇にキスを落とす。