第3章 ♡優しい先輩【菅原孝支】
「...クスッ。山浦、俺のこと優しい先輩だとか思って油断してたべ?」
笑いながらほっぺをつねってくる菅原先輩。
つねられたところからじんわり痛くないほどの違和感が広がる。
...夢じゃ、ないんだ。
『菅原先輩...なんで、ですか?』
「ん...山浦に俺のことちゃんと男として見てほしくて。...って言ったら、怒る?」
それって、つまり。
つまりは、私のことが...すき?
『あの、私...。菅原先輩のこと...んぐっ!』
いいかけたところで、手で口を押さえられる。
「俺から言うんだから、山浦はいっちゃダメ。」
一度真剣な顔をしたあと、菅原先輩は一回深呼吸をした。
「俺、山浦のことが好きだ。...だから俺と、つ、つ付き合ってください...。」
顔を真っ赤にして押さえながらいう菅原先輩に、不覚にもドキッとさせられてしまう。
『...あの、私なんかで良ければ、ぜひ...。』
そう言うと、「よかった。」といって不意に抱き締められる。
「俺、山浦のことすっげー心配してたんだからな、なんか誰にでもついていきそうだし...。」
腕に力を込める菅原先輩。
耳元で好きなひとの声がするなんて、...初めて。