第2章 プレゼント【夜久衛輔】[生誕記念]
男子バレーボール部の部室前で衛輔を待つ。
中からは、数人の声がしてくる。
「やっぱり女子マネがほしーーーーい!」
「うるせぇ山本!」
...あ、黒尾だ。
「っていうか夜久さん、お誕生日おめでとうございます!このあとぜひカラオケでも...!」
「あー、悪いな。俺は今日先約があるんだ。」
「夜久さん、顔にやけてますよ!」
そんな声が聞こえてきて、私は男子は面白いなぁと思いながらスクールバッグをあさる。
カップケーキの準備をしなくちゃ!
...あれ?
カップケーキが、無い。
『えええ!?』
部室棟でただ一人、大声をあげていると、後ろから声が響いてきた。
「あ、リンカ!!お待たせ!なにやってるんだ?」
『あー、ちょっと荷物の整理を!ね?』
「そうなのか?まぁ、行こうぜ!」
「お疲れっしたぁー」
「お疲れ様でしたー!」
様々な声を背に歩く。
どうしよう。
もしかしてこれはガチでプレゼントはわ・た・し!パターンになるんじゃ...!?
「リンカ?」
『はいっ!!』
突然呼ばれて、変な声を出すと、そこにはちょっと怪訝そうな顔をした衛輔が居た。
...そりゃそうなるよね...。
『あの、私の家、よってく?』
多分家に残りのカップケーキがあったはず。