第12章 巨人化とは・・・
「君が謝る必要はない。本来なら正しいのは君の方なのだから・・・・」
こんな状況下でなかったら、命の尊さを説くべきなのだろうが、
人類はもう形振り構っていられない状況まで追い込まれている。
そう思っているのは調査兵団だけで他の兵団や市民は
そんな危険性を感じてはいないだろう。
だが、確実に人類は様々な脅威によって追い詰められているのだ。
敵は必ずしも巨人だけではない。
それは人であったり、飢えであったり、
病気であったり・・・と数知れない。
巨人を駆逐し領土を広げられれば、
新たな可能性が生まれるかもしれない。
少なくともエルヴィン達はそう思っている。
ナナシもそれは理解しているが、
エルヴィン達程の情熱を持てているのか自信が無かった。
だからいつも一歩距離を置いて、
今のように彼らを責めるような発言もしてしまうのだと思う。
もしも自分が彼らと同じ人間だったなら少しは違ったのだろうか?
詮無い事とはわかりつつそう考えてしまう。