第12章 巨人化とは・・・
「そろそろ・・・昼食の準備をせねば・・・」
ナナシはその思考から逃げるように昼食の事を考え始めた。
午後からはエレンが目覚め次第、
訓練メニューを考えることになっている。
実家から少し肉を取り寄せられたので、
エレンに食べさせて精を付けさせねば・・・。
あとエルヴィンに持たせる夕食分もそろそろ用意しないと。
古城に戻ろうと踵を返した時、「ナナシ」とエルヴィンに
呼び止められ振り返ると、彼は微笑みながらナナシに言った。
「ナナシは『ナナシ』でいてくれ。
それが私の『救い』になるから・・・」
「・・・・・・わかった」
まるで心を見透かされたようでドキリとしたが、
その言葉は確実にナナシの心を軽くしたのだった。