第3章 再会
ナナシが生い茂る木々の合間から街道と思われる道に出た瞬間、
街道を猛スピードでやってきたと思われる馬に跳ねられそうになり、
尻餅を着いた。
いきなり人と出会すとは考えていなかったので
人の気配を探る事を疎かにしていたツケである。
ヒヒーンッ!と馬の声が聞こえ、馬に乗っている人間が
「どうどう」と必死に馬を抑えている声が聞こえたが、
馬が落ち着きを取り戻すと「馬鹿野郎っ!」と怒鳴られた。
「いきなり街道に飛び出す奴があるかっ!
馬に蹴られて死んでも文句は言えねぇぞ!」
「す、すま・・・・すみません!」
余りの剣幕にナナシが目を閉じると、
その人物は突然息を呑み「ひょっとして、ナナシか?」と
尋ねてきた。
ナナシも突然掛けられた言葉と冷静になれば
聞き覚えのある声に顔を上げると、
そこにはリヴァイがいて目を剥いた。
――――数分前に出した結論が根底から
覆させられた瞬間だった・・・・。