第3章 再会
ナナシはリヴァイを凝視したまま硬直して動けなかった。
何故、物事がこうも上手くいかないのか。
確かに会いたかったが、
あくまで影からこっそり見守りたいという意味で、
面と向かって会うつもりは無かったのに・・・。
ナナシが硬直している間にリヴァイは馬から降り、
尻餅をついているナナシに駆け寄って
顔がよく見えるように片膝を着く。
「やっぱり、ナナシか!本当に帰ってきたんだな」
「イエ、人違イデス・・・」
ナナシは着ていた着物でサッと顔を隠し、
ジリジリと後退したが、リヴァイがそれを許すはずもなく
腕を掴まれ、隠した顔を曝す羽目になった。
「俺がおまえの顔を見間違うはずがねぇだろうが。
何言ってやがんだ、この馬鹿野郎。俺達がどれだけ
心配したと思っている」
「・・・・・・っ」
リヴァイは基本嘘を吐かない実直な男だ。
辛そうな顔でリヴァイから「心配した」と言われてしまえば
心が痛んでナナシも惚け続ける事が出来ない。