第10章 ナナシとの関係
「大体、団長とナナシさんはどんな関係なんですか?」
「馬鹿っ!それを聞くんじゃないっ!!」
「え?何でですか?エルドさん。いくら教官でも団長に
皮剥きさせる程、偉いとは思えないです」
「いや、だから、それには色々と・・・・」
「良いんだ、エルド。この際だからはっきり言っておくべきだろう」
エルドのフォローを遮ったエルヴィンは、
毅然とした態度でエレンに向き直り言い切った。
「ナナシは私の婚約者だ」
エルヴィンの言葉を聞いた瞬間、
エレンの瞳に暗い影が宿り瞳孔が開いた。
「・・・・え・・・・」
「聞こえなかったか?ナナシは私の婚約者なんだよ。
私としては、いつ結婚しても良いのだけれど、
ナナシは恥ずかしがり屋でね」
「・・・・・・・・・・」
まだそんな戯言を言っているのか、
自分は撤回してくれと言ったのに・・・とナナシが呆れていると、
エレンから「本当なんですか?」という質問が飛んできたので、
即座に否定する。