第10章 ナナシとの関係
余りにも不憫過ぎるその姿にエルドが何かフォローを
入れなければと思ったが、その前に死に急ぎ野郎のエレンが
疑問を口にした。
「団長は何故ナナシさんの部屋に泊まりたかったんですか?
何か特別な部屋なんですか?」
「ば、馬鹿っ!エレンっ!!」
「え?何がですか?普通疑問に思うでしょう?
床よりもベッドで寝た方が良いに決まってます」
情緒というものを知らないエレンの言葉で厨房内がシーンと
静まり返ったが、一呼吸置いてハンジがゲラゲラと爆笑を始めた。
「あはははははっ!エレンの言う通りだね!
一縷の望みを掛けて駄々を捏ねるより、別室のベッドで
寝た方がぐっすりおねむ出来るわ~!」
ハンジが何故爆笑しているのかわからないエレンが
不思議そうに首を傾げていると、オルオが慌てて彼に説明する。
「エレン!大人には大人の事情ってもんがあんだよ!
おまえみたいなお子様にはわからないだろうがなっ!」
「・・・事情?事情って何ですか?もしかして、
今度の壁外調査に向けての秘密会議か何かが
行われているんでしょうか?」
「違っ!あーもう・・・こいつは・・・・」
死に急ぎ野郎の駆逐馬鹿っ!!
頭を抱えるオルオ&エルドを尻目に、
エレンの死に急ぎ発言は更に続く。