第10章 ナナシとの関係
「昨夜馬を飛ばして此方に。ナナシの部屋の・・・・床で
眠らせてもらったよ」
「「「床っ!?」」」
エレン、エルド、オルオの声がハモった。
自分の所のトップが床で寝ていたなど誰が思うだろうか・・・。
三人が思わずナナシへ目を向けると、
団長を床で寝かせた元凶はしれっと答える。
「ちゃんと床には毛布を敷いたし、風邪を引かないように
簀巻きにもしてやったぞ?何の文句がある?」
―――いやいやいやっ!!
それ、文句大有りでしょうっ!?
「他の部屋のベッドの埃を払ってやるからそこで寝ろ、と言ったのに、
一緒の部屋で寝ると駄々を捏ねたのは此奴だ。
何故自分のベッドを譲らねばならない?」
「普通、そこでベッドを二人で分かち合うという選択肢が
生まれるはずなんだが・・・・」
「すまん。普通ではないからそんな選択肢微塵も浮かばなかった」
エルヴィンの言葉をバッサリ切り捨てたナナシに、
団長様は明らかに項垂れた。