第10章 ナナシとの関係
ブツクサ文句を言いながらじゃがいもの皮を剥く二人を
呆然と見つめていたエレンだったが、我に返ると敬礼して
「おはようございますっ!」と声を上げた。
「お、おはようございます!エルヴィン団長!ハンジ分隊長!」
「やぁ、おはようエレン。昨夜はよく眠れたかな?」
「あー・・・エレン、ちょっと声量落として。
徹夜で頭がガンガンするんだ~」
力なく笑いながら返答するエルヴィンと、
辛そうに頭を抱えるハンジにエレンは首を傾げて
最もな質問を口にした。
「あの・・・お二人共、何でじゃがいもの皮を剥いているんですか?
今日の朝食当番は、自分とエルドさん、オルオさんだったと
思うんですが・・・・」
エレンの言葉に二人はピタリと動きを止め、
そ~っと視線を鍋の前にいる人物へ向けた。
「エレン、おはよう。今日お主達は朝食の用意をしなくて良いぞ。
そこにいる団長様と分隊長様が当番を代わって下さるそうだ」
「あ、ナナシさんもいたんですね。おはようございます。
でも、団長と分隊長にそんな事させる訳には・・・・」
ナナシの言葉に困惑したエレンがそう言い掛けた時、
エルドとオルオが現れ厨房内にいるメンツに驚愕しながら
挨拶をする。
「お、お、おはようございま・・・ガフッ!」
「おはようございます!団長いつ、いらしていたんですか?
お部屋の用意が出来ていなかったと思うのですが・・・」
エルドの質問にエルヴィンは暗い影を落とした。