第9章 悪夢と決意
「私のナナシに何をしようとしていたっ!?リヴァイっ!!」
憤怒の形相で現れたのは、王都に会議へ向かったはずの
エルヴィンだった。
いつもきっちり七三に分けられている前髪は乱れており、
衣服も泥だらけの状態で現れた男は、装備していた
スナップブレードを抜いて今にも斬りかかりそうな勢いである。
対してリヴァイは突然現れたエルヴィンに驚いているものの、
冷静に返す。
「おい、会議はどうした?エルヴィン」
「調査兵団を罵るだけ罵って自分達の価値を高めようとする
下らん茶番会議など一日で終わらせたに決っているだろう」
「いや・・・普通一日で終わんねぇだろ・・・」
「ザックレー総統にも許可を頂いて退室してきたから問題はない」
「・・・・・・・そうかよ」
どうせ何か良からぬ事をして無理矢理帰ってきたのだろう・・・。
呆れるリヴァイを尻目にエルヴィンは、
久し振りに会ったナナシを思いっきり抱き締めた。