第8章 ナナシの『伝説』
「知ってるも何も新兵以外は全員読んでんじゃねぇか?
エルヴィンが読むべきだと推奨してたからな」
「・・・なっ!?」
思いも寄らないリヴァイの話に絶句していると、
彼は更にハンジを追い詰めるような爆弾発言をした。
「流石にエルヴィンとてめぇの情事が書かれた巻は、
閲覧出来る人間を厳選しているようだが・・・・
俺とミケは読まされたぞ」
「ばっ、馬鹿っ!!リヴァイ!!そんな事カミングアウトしたら、
あたしの命が・・・っ!!」
ハンジが叫ぶように言ったが既に遅く、
ナナシはリヴァイから聞いた事実にピタリと動きを止める。
・・・・・・・・え?
今リヴァイは情事って言ったか?
何かの聞き間違いであって欲しい。
「・・・・リヴァイ、もう一度言ってくれないか?
何が書かれた巻だと?」
「だから、てめぇとエルヴィンの情事・・・つまりエロ本だ」
ナナシはピキッと石化したように固まった。
視界に入ったリヴァイ班四人が気まずそうに顔を伏せたのを見て、
更に嫌な予感を覚える。