第7章 『制約』
だから、私を頼るなと言うナナシにリヴァイ達は息を呑み、
言葉を失った。
サラリと告げられた余命にハンジは乾いた笑い声を上げる。
「そ、・・・そうなんだ。でもさ、またこうして
戻ってこれるんでしょ?『死ぬ』なんて言うから
一瞬ビックリしちゃったよ~」
ハハハと笑うハンジにナナシは静かに首を横に振り
「いや・・・」と続きを話す。
「もう二度と戻って来られない。今度こそお別れだ、ハンジ」
「嘘・・・でしょ?ナナシってば、人が悪いよ。
また私達をビックリさせようとしてさ・・・」
「ハンジ、ナナシは多分嘘を吐いてない」
ミケが神妙な面持ちでハンジを諌めたが、
彼女は目に涙を溜めて唇を噛んだ。
「嘘だって言ってっ!お願いだからっ!!
また、あんな思いしなきゃいけないのっ!?」
うわぁぁぁん!と号泣し始めたハンジに、
ナナシは「すまない」と謝ることしか出来なかった。
リヴァイは号泣するハンジに叩きつけるようにハンカチを渡すと、
ナナシに向き直り、ここに来る事を渋った彼の行動に
「そういう事だったのか」と苦い表情で納得した。
それを見たナナシはコクリと黙って頷く。