第34章 部下達の苦悩
「しっかしさ~、相変わらずナナシの拷問術って凄いよね~!
鍼をちょこっと刺すだけで、打たれ強いあのエルヴィンが
絶叫するんだもん。しかも怪我の治りも早いって、壁外調査前の
うちらにとっては本当に有り難いわ」
「痛覚神経に直接攻撃を仕掛けているようなもんだからな。
いくら屈強な兵士でもそこを攻撃されれば一溜りもあるまい」
「でもさ、エルヴィンって何であんなに学習能力無いのかな?
ナナシ限定で。他の事はすっごく考えて学習するのにね。
昔ナナシを調査兵団に勧誘しに行った時も、薬盛った癖に
ボコボコにされて帰ってきたじゃん?
ナナシ怒らせて無事じゃ済まないって何でわからないかな?」
「えっ!?団長がそんな事を・・・っ!?」
初耳のモブリットが驚きのあまり声を上げると、ハンジと
リヴァイは昔を懐かしむようにエルヴィンのアホっぷりを語る。
「そうさ、あたしから超強力な痺れ薬持ってってナナシに
飲ませたのに、逆にボコられて帰ってきて寝込んだんだよ~。
因みにこの人類最強もその時のされちゃってる」
「うるせぇぞ、クソメガネ」
「本当の事だろ?開閉扉の故障を知らせてくれた恩人に
よくあんな真似出来たよね~。で、何だかんだあって、
セクハラとかパワハラすんなって条件で教官として
来てくれたんだけど・・・」
「よく殺されなかったなと感心するレベルでエルヴィンによる
日常的なセクハラとパワハラが行われてたな。一度、
寝込み襲って脳天に鍼をぶっ刺されてたか・・・」