第34章 部下達の苦悩
ハンジとリヴァイの会話を聞き、モブリットは顔面蒼白に
なりナナシを凝視した。
ナナシは全て本当の事だったので、特に口を挟まずお茶を啜る。
「極めつけはエルヴィンを庇って銃弾浴びたナナシを
見つけ出して・・・傷も癒えてないナナシを強姦した時は、
流石のあたしも殺意湧いたけどね」
ハハハッと笑ってない目で笑ったハンジに、モブリットの
顔色は更に悪化した。
当時、よくわからなかったが自ら牢屋に入ったエルヴィンに
ナナシから何とか言って貰えないかと頼みに行った事があり、
今更ながらそれがどんなに酷だった事か理解する。
モブリットは椅子から立ち上がり、土下座せんばかりの勢いで
ナナシに頭を下げた。
「あの時は申し訳ありませんでしたっ!そんな事情があったとは
知らず、あんなお願いをしてしまい、本当に・・・っ!!」
「いや、気にしないでくれ。モブリットは何も悪くない」
「だよね~。その後すぐミケにも襲われて、ミケも仲良く
牢屋入りだったしね。それに比べればモブリットの
陳情なんか吹っ飛ぶよね。あー懐かしい・・・」
「ええっ!!??」
直ぐ様落とされた爆弾にモブリットは絶句し、
ナナシをまた凝視する。