第34章 部下達の苦悩
何となく原因がわかっているハンジと巻き添えを食らった
副官のモブリット、リヴァイ班を代表してエルドのみが
ナナシの私室に残り、兵団ツートップの尋問にあたっている。
モブリットとエルドにしてみれば、この場にすら
居たくないだろうが、何が起こったかを知る権利があると
ハンジにゴリ押しされて、ここに残された。
「ハ、ハンジ・・・すまぬ。元はと言えば私のせいで・・・」
「ナナシは悪くない。全てリヴァイが悪い!」
「ナナシは悪くねぇ。全部エルヴィンが悪ぃんだよっ!」
ナナシが事の真相を話そうとすると同時に二人が遮るように叫び、
互いに睨み付けあった。
それを見て事情を察したハンジはまた盛大に大きな溜息を吐いて、
二人の腹に渾身の蹴りを入れ、椅子ごとはっ倒した。
「どうでも良いけど、壁外調査前に痴情のもつれを起こすな!
この色ボケクソ男共っ!!あと、ナナシ!その事情とやら
説明して!」
椅子ごと倒れた二人を放置し、ナナシは言い辛そうに
エルヴィンにされた事や、その復讐でやった事を話すと、
三人はなんとも言えない顔をしてエルヴィンとリヴァイを見る。