第32章 自業自得の悪夢
「ナナシはリヴァイ達と古城に戻った。因みにこの部屋では
ヤってないそうだが、念の為マットレスやシーツなどは
交換してある」
「待て。『この部屋では』とはどういう意味だっ!?
それではまるでナナシとリヴァイが関係を持ったような・・・っ!」
胸倉を掴んでくるエルヴィンに
「ナナシからおまえに伝言がある」と、落ち着かせた
ミケは、頼まれた言葉を伝えた。
「『冷静に話せるようになったら古城に来い』・・・だそうだ」
「・・・それだけか?」
「あぁ」
「・・・・・・・・」
ベッドに座り込み頭を抱えて黙り込んだエルヴィンに、
何があったか全て知っているミケは静かに口を開いた。
「正直に話すが、今回の件は俺も協力者だ。ナナシから
おまえに復讐したいと持ち掛けられてそれに乗った。
まぁ、俺はここら辺の部屋の兵士を違う場所に移動させたり、
マットレスを運んだりした裏方だったがな」
「・・・・おまえはナナシがリヴァイと寝る事も知っていたのか?」
「あぁ・・・俺も立候補したんだが、ナナシは俺に身体を
見られる事を嫌がった。どんな傷でも気にしないと言ったんだが
・・・聞いてもらえなかった」
「何故、反対しなかった?」
「それはどれの事を言っているんだ?今回の復讐の件か?
それともリヴァイとナナシが寝た事か?」
「・・・・・・・後者だ」
「それは俺も反対しようと思った。だが、あのナナシが
リヴァイと寝ると決めていた。ある意味覚悟を決めた奴に
何を言っても無駄だと悟って、必要以上の反対はしなかった」
「・・・・・・何故・・・・」
「それは、おまえが一番よくわかっているはずだろ?エルヴィン」
「・・・・・・・・・・」