第31章 ●リヴァイとナナシ
「で?そんな事を聞いてどうすんだ?まさか、
抱かせてくれんのか?」
ありえない事だと思いつつ、そう尋ねるとナナシは
ハッとした表情をした後、恥ずかしそうに「そうだ」と
肯定したのでリヴァイは度肝を抜かれる。
確かに一昨日エルヴィンから暴行されて帰ってきたが、
今までの経験上ナナシは絶対彼を許すと思っていた。
今更、男を変えるなどという発想も無いだろうし、
どういう事かと問うと、ナナシはリヴァイに頭を下げて
「協力してくれ」と懇願してきた。
「こんな事を頼むのはリヴァイにとても失礼な事とはわかっている。
だが、私の身体の事を知っていて私を抱いてくれそうなのは、
お主しかいなくて・・・」
「おいおい待て待て待て。おまえに説明を求める方が
間違っているのかもしれないが、こればっかりはきちんと
説明しろ。時間が掛かっても良い・・・」
切羽詰まっていそうなナナシを落ち着かせて聞き出した
概要はこうだった・・・。
今回エルヴィンに無理矢理やられた事は絶対許すつもりはなく、
何か復讐をしたい。
だが、エルヴィンは無駄にタフなので物理的に痛めつけても
恐らく効き目などないだろう。
それならば物理的にではなく精神的に追い詰めた方が良いと
考えた結果、目の前で他の男に抱かれる様を見せつけるのが
一番だという結論に至った。
しかしながら、自分の身体を見ても動じず抱いてくれそうな
男がいるだろうか・・・と悩んでいたが、自分の身体を
見た事のあるリヴァイなら頼めばイケるかもしれない!
・・・・という事だった。