第31章 ●リヴァイとナナシ
―――数日前、突然ナナシがリヴァイの部屋にやってきて、
とんでもない事を言い始めた。
「お主はまだ・・・私に興味はあるか?」
「あ?」
最初何を言われているのかわからず、
つい眉間に皺を寄せてしまったが、ナナシがモジモジと
言い辛そうにもう一度同じ事を言ったので、
自分なりにその言葉の意味を解釈する。
「・・・つまり、俺がおまえに惚れているのかと聞いているのか?」
「いや、流石にそうとは思っておらぬし・・・その・・・」
「何だ?はっきり言え。おまえらしくねぇぞ」
何が言いたいんだと促してみれば、結局
「自分をまだ抱く気が残っているのか?」という質問だった為、
リヴァイは最初ので合ってるじゃねぇかと内心悪態をつく。
だが、何故今になってナナシは自分にそう聞いてきたのかという
疑問が湧いた。
ナナシはオドオドしながら何と言ったら良いのか
言葉を探しているのだろう。
先程から口を開きかけては閉じるの繰り返しだった。
・・・・そうだった。昔からこいつは説明が苦手だったな。
仕方ないので、自称よく喋る俺から話を切り出してやることにした。