第30章 ●復讐
「・・・断る」
「何故、そこまで・・・っ!?」
「お主こそ何もわかっていない。私が求めていたのは
こんな関係ではない」
「ならば、良く話し合おう!何もリヴァイに抱かれなくても・・・っ!」
必死に追い縋るエルヴィンに、今まで黙っていたリヴァイが
口を開いて止めた。
「エルヴィン、おまえいい加減にしろよ。ナナシは俺に
抱いてくれって頭を下げに来た。おまえに復讐する為に
力を貸してくれってな・・・。身持ちの固いこいつが
そこまで言う程怒ってるって、まだわからねぇのか?」
リヴァイに言われなくてもナナシが怒っているのはわかっている。
ナナシがここまで捨て身になるのは相当な事だとも理解している。
だが、だからといってそれを受け入れられる程、
エルヴィンの器は大きくなかった。
「・・・・リヴァイの言った事は・・・本当なのか・・・?
ナナシ・・・」
「本当だ。リヴァイには申し訳なかったが、
何とか拝み倒して了承してもらった」
「そこまでして、俺を・・・壊したいのか・・・?」
「・・・・・・・・・」
悲痛な面持ちのエルヴィンにナナシが迷いを生じさせた瞬間、
突然リヴァイがナナシの唇を塞ぎ抱き寄せた。
室内にくぐもった声と水音が響き、
エルヴィンが射殺すようにリヴァイを睨みつける。
暫くの間ナナシの口内を堪能して満足したリヴァイが
唇を離すと、ナナシは既に立っていられない状態で
エルヴィンのベッドに横たえさせた。